Tokyogasgroup csr report

天然ガスと再生可能エネルギーの時代へ

2019年3月に国際エネルギー機関(IEA)が公表した報告書によると、2018年、世界のCO₂排出量は過去最高を記録しました。再生可能エネルギーは10%を超える急速な伸び率となったものの、電力需要の伸びに対応するには至っていません。

このような状況下、東京ガスグループが50年という長きにわたり供給してきた天然ガスは、石油・石炭など他の化石燃料と比べ、地球温暖化の原因であるCO2排出量が少なく、気候変動対策に貢献し得るクリーンなエネルギーとして、世界でも需要が急速に拡大しています。近年では、シェールガス革命を背景に、埋蔵量が豊富、かつ手頃な価格で信頼性の高いエネルギーであることから、環境性と経済成長を両立させながらエネルギーセキュリティを強化するエネルギー源として利用拡大が見込まれています。

また、天然ガスを燃料とする火力発電は数分で最大出力に達することから、不安定な再生可能エネルギーを補うバックアップ電源としての役割も期待されています。低炭素社会を実現していくまでの間の重要なエネルギー源であり、今世紀前半は「再生可能エネルギーと天然ガスの時代」とも言われています。

IEAは、天然ガスの需要は、2040年に向けて約43%増加(2017年比)し、特に中国やアジア、中東など開発途上国における需要が高まると予測しています。次なる半世紀、当社グループがグローバル規模で持続可能なクリーンエネルギーを安定的に供給していくために、LNGネットワークを拡大し、これまで積み上げてきた技術と経験を持って、天然ガスのインフラ整備、LNGバリューチェーンの構築に尽力しています。

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

日本のエネルギー環境を転換したLNG導入

日本では、1969年に東京ガスが初めてLNG(液化天然ガス)として輸入し、全国に広がっていきました。LNGは天然ガスを-162℃で冷却し液化したもので、気体から液体にすることで体積を600分の1にすることができ、タンカーでの大量輸送が可能になります。

1960年代、戦後の経済復興期を迎えた日本は、高度経済成長に伴いエネルギーの需要も大幅に増加し、供給能力の増大が喫緊の課題でした。また当時の燃料であった石油による大気汚染物質の排出も問題となっていました。そこで当社は、熱量が高く環境性にも優れた天然ガスの利用を検討、島国である日本に気体の天然ガスを輸送する方法として、液化させた天然ガスをタンカーで輸入することを決めたのです。

前例のない事業であったLNG導入に向けて当社は、LNG受入基地の建設、首都圏をつなぐ環状幹線の建設、お客さまの器具の熱量調整という3つのプロジェクトに全社挙げて取り組むことになりました。これらの経験はLNGのパイオニアとなった東京ガスグループの大きな財産になっています。

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

50年の技術と気付きを海外へ

東京ガスグループは50年にわたりLNGの受入れ、都市ガスの製造・供給設備などの設計・建設・オペレーション・メンテナンスを手掛けてきました。そのノウハウや技術を1980年、台湾でのガスホルダー建設を最初に海外の事業者にも提供し始め、さまざまな案件を積みあげた実績によって、現在ではLNG基地建設プロジェクト全体をマネジメントするコンサルタント事業にまで拡大しています。

現在、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(株)はタイにおける「Nong Fab(ノンファブ) LNG受入基地」の建設工事でプロジェクト・マネジメント・コンサルティング(以下、PMC)業務をPTT LNG Company Limited(以下、PTTLNG)より受注しています。

PTTLNGからのPMC受注は2例目となっており、LNG受入基地の設計、調達、工事、試運転が円滑に進むよう、PTTLNGに代わりプロジェクト全体をマネジメントしています。

なお、Nong Fab LNG受入基地については、建設用地を選定する初期検討から、基地の仕様決定、設計・建設工事の受注者選定といった全ての段階についてPTTLNGから受注し、エンジニアリングを手がけてきました。

Voice

東京ガスグループは自社で基地を持ち、運営しているからこその気付きや経験があり、ガスが止まることのないよう限られた時間と制約の中で問題を解決してきた力があります。単に基地を建設すればミッション完了、ではなくその後の基地の運用でどんなことが起こるか、という視点を持っていることは、お客さまとの仕事で一番生きていると感じており、こうした点が評価され、またお客さまのご満足につながり、繰り返しご依頼をいただける当社の強みではないでしょうか。
タイでは、もともと国産の天然ガスで発電し、社会インフラを整備してきましたが、国産ガスの減退により代替エネルギーが必要となりました。石炭での発電も検討されていますが、タイは環境への意識も高くLNGに優位性があるようです。このような傾向は他のアジアの国でも見られ、LNGはその国の経済基盤や生活に必要なインフラを支える存在になっています。
こうした国々を今後も支援できるよう、これまでの経験を次の世代に引き継ぎ、さらに発展させられるよう業務に取り組んでいきたいと考えています。

東京ガスエンジニアリング ソリューションズ(株) 海外エンジニアリング部長 荒井 伸悟 東京ガスエンジニアリング
ソリューションズ(株)
海外エンジニアリング部長
荒井 伸悟

ノンファブLNG受入基地

ノンファブLNG受入基地

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世界に広げるLNGネットワーク

近年、LNGの市場は大きく変化しています。LNG取引においては、これまではLNGの最終仕向地を制限し、第三者への転売が認められない原油価格連動の長期契約が中心でした。しかし、アジアを中心とした需要増や米国のシェールガス革命による生産増などを背景に、従来の長期契約・原油価格連動を前提とした取引から、流動性の高い取引の実現が進みつつあります。

こうした中、東京ガスでは安定供給と競争力ある価格の確保のため、米国天然ガス市場価格の指標に基づく調達や仕向地条項のない契約による調達を拡大するとともに、アジアや欧州のエネルギー企業と連携し、欧州、アジア、北米の市場を結ぶLNGネットワークの構築を進めています。
2016年には、イギリスの大手エネルギー事業者であるセントリカ社と「相互協力に関する協定」を締結しました。具体的には、当社が米国から調達するLNGをセントリカ社へ販売し、セントリカ社がアジアから調達しているLNGを当社が購入する取り組みを進めています。これにより、柔軟な需給調整が可能になるだけでなく、輸送距離の短縮により輸送に伴う温室効果ガスの排出が削減できるとともに、輸送コストの削減にもつながります。
この協定は柔軟性のあるLNG調達契約を進めているからこそ可能となりました。こうした契約は世界の天然ガス・LNG価格の不均衡を是正することにもつながると考えられます。

Voice

世界的に見ると天然ガス市場は、アジア、欧州、北米に大きく分かれ、LNG価格も市場ごとに形成されており価格もさまざまです。しかし、欧州、北米を結ぶLNGネットワークが構築されることで、LNG取引の流動性が増し、競争原理が働き価格の地域格差が縮小しつつあります。日本は世界のLNG需要の4分の1を占めるLNG輸入大国です。LNGネットワークを広げることで、原料価格の低減、需給調整の柔軟性につなげられると考えています。また、LNG市場の流動性が高まることで、グローバルなLNG市場の形成・拡大にも寄与することができます。

東京ガス(株)原料部 LNGトレーディンググループ マネージャー 星野 佐織 東京ガス(株)原料部
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マネージャー
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社会の発展と課題の解決につなげるLNG事業

LNG導入から50年、東京ガスがLNG事業において培ってきた経験や取り組みは、世界の中でも、特に「東南アジアにおけるLNGの普及・拡大」に貢献することができ、SDGs「目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」および「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」の達成を可能にするものです。次の50年、東京ガスグループはLNG基地建設などのインフラ整備、LNGネットワークの構築などを積極的に展開し、成長が目まぐるしい開発途上国の発展とLNG市場の活性化に寄与すべく尽力していきます。
 

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに 9 産業と技術⾰新の基盤をつくろう 17 パートナーシップで⽬標を達成しよう

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