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Top Commitment

トップコミットメント


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「CO2ネット・ゼロ」で、世界のエネルギー企業をリードします 東京ガス株式会社代表執行役社長 内田 高史

  • ※ 本インタビューは、2020年5月18日に行われました。新型コロナウイルスの感染拡大状況や東京ガスグループの対策等については、当時のものとなります。
「決してエネルギーを止めてはならない」 当たり前を支える使命を果たします

初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔みを申し上げますとともに、罹患された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、感染拡大防止にご尽力されている医療関係者をはじめとした多くの皆さまに心から感謝申し上げます。
「決してエネルギーを止めてはならない」。これが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大にあたって、私が経営者として真っ先に頭に浮かび、全グループ従業員と共有したことです。ライフラインを提供する企業として全てのお客さまが「当たり前」に暮らせるために、今回の新型コロナウイルスの感染拡大のみならず、あらゆる非常時・緊急時において、東京ガスが果たすべき責任は3つあると考えています。
第一は、やはり、ガスだけでなく、電気も供給しているエネルギー事業者としての責任です。東京ガスグループは、一般家庭はもちろん、休業できない医療機関や公共施設、工場等にもガスや電気を提供しており、今回のような非常時にあってもエネルギーを安定供給し続ける責任を担っています。その責任を果たすためには、いかなる環境下においても、原料を支障なく調達して、ガスの製造や発電を安全に行い、供給体制や保安体制の維持・管理を徹底するという、エネルギー事業者としての最大かつ最低限の責務を全うしなくてはなりません。家庭等でガス・電気をご利用になられているお客さまと接する東京ガスライフバルやガス漏れに対応するガスライト24等、それぞれの現場で、自分自身や家族のストレスが高まる中で、エネルギーの安定供給に尽力するグループ社員に感謝しております。
第二に、企業市民として、多くの人が安心・安全に暮らせる街をつくる社会的責任です。今回の感染拡大によって、生活が困窮している方も多くいらっしゃいます。当社グループでは、一時的に料金の支払いが困難なお客さまに対して、支払期限を最大で3カ月間延長する特別措置をいち早く実施致しました。また、経済的に苦境にある世帯への支援のためフードバンクに食料品を寄贈したり、新型インフルエンザ用に備蓄していたN95マスク1万5千枚を医療従事者の方々にお届けする等の支援活動も積極的に行っています。
第三に、上場企業・株式会社としての企業価値向上の責任です。長期経営ビジョン「Compass2030」や、新中期経営計画(2020-2022年度)の遂行を止めないこと、ステークホルダーの皆さまに当社グループの方針をお示しして、ご理解いただくことも当社グループが担う責任の一つです。感染拡大の影響で業務に支障も出る中、グループ社員が鋭意努力し、サステナビリティレポートの発行等、情報開示を着実に行っています。

20年先、30年先の未来からバックキャストして長期経営ビジョンを作成しました

新型コロナウイルスの感染拡大により足元の事業環境は非常に厳しく、不透明な状況ですが、当社グループの長期経営ビジョン「Compass2030」や、2020年3月に策定した新中期経営計画(2020-2022年度)で掲げた中長期的な市場環境の変化に対する認識は変わらず、むしろ、変化がより加速すると予想されます。
当社グループではこれまで、長期経営ビジョンを策定する際に10年先をフォアキャストして策定していましたが、今回は、加えて20年先、30年先を見据えた上で、その未来を起点にバックキャストし、今何をすべきなのかを考察しました。今から10年間は、再生可能エネルギーの拡大に合わせて、その気象条件による出力変動を補うことのできる天然ガス火力発電や燃料である天然ガスの役割は拡大すると考えています。しかし、10年先だけをターゲットとしていては、その先の「脱炭素」という社会変化に対応できない計画になりかねないと考えたためです。
私たちが想定している、事業環境の変化・時代の潮流のキーワードは、4つの「D」です。この4つの「D」に対応する方策を打ち出さなければ、企業としての将来は描けないと考えています。
まず1つ目のDは、「Decarbonization」(脱炭素)です。今、社会は、低炭素ではなく、脱炭素を求めています。日本国内でも「企業は本当に低炭素でいいのか。将来的な脱炭素を目指す必要があるのではないのか」という議論が活発に行われるようになりました。当社にとって最重要課題であり、そうした要請に対して、当社グループがどう応えていくのかを明確にしました。
2つ目の「Digitalization」(デジタル化)の流れも非常に大きくなっています。近年、最新のデジタル技術を使って、社会や経済を破壊的に変えていく企業が出始めました。今後、エネルギー業界でも同様の動きが出てくるでしょう。当社グループでも強力にデジタル化を推し進めていく方針です。
3つ目は、価値観の多様化が進む「Diversification」です。多くの消費者は、昔ながらの単品大量生産は受け入れず、自分の価値観にあった商品を自ら選ぶようになりました。一方で、自分では所有せず、シェアすることで満足という傾向もあります。
家庭でも、太陽光発電等の再生可能エネルギーを効率よく使い、蓄電池を活用すれば自家消費することができるため、エネルギーの使い方が変わってくることが考えられます。お客さまの価値観や多様化と向き合い、当社グループのサービス向上を図ることも重要な課題です。
4つ目は「Deregulation」(規制緩和、自由化)です。今後ますます激化する事業者間の競争にどう打ち勝つのか、同業者のみならず業界の垣根を超えた戦略も含め、対処していく方針です。

「CO2ネット・ゼロ」で、世界のエネルギー企業をリードします

長期経営ビジョン「Compass2030」では、当社グループが2050年以降を見据えて「CO2ネット・ゼロ」を目指す方針を打ち出し、エネルギー業界にとどまらず、様々な業界から大きな反響をいただきました。「CO2ネット・ゼロ」には、「世界のエネルギー企業をリードする存在になりたい」という想い、「脱炭素に取り組んで成果が出せない企業は生き残れないのではないか」という危機感、エネルギー会社としての使命感が込められています。私の中では、社会の変化を敏感に感じ、「東京ガスグループは今のままで生き残れるのか」という非常に強い危機感を持っている若手社員たちに向けて、この長期経営ビジョンを通じて答えを出さなくてはならないという思いもありました。

企業の原動力となる「人」を育てます

私は、社員を、自分の人生を当社グループに投資してくれている、重要なステークホルダーだと考えています。企業を発展させる原動力は「人」です。どんなにすばらしいビジョンを作ったとしても、実行するのは「人」であり、その「人」にどうモチベーションを高めてもらうかが一番大きな経営課題だと認識しています。
当社グループにとって、「安定供給・保安の確保」は創業時から根付いている大切な企業文化です。これは良いことである反面で、「守り」を重視してきたことで、これからのパラダイムシフトの時代に求められる変化に対して慎重になり過ぎていた面もあります。
私は、「人」が変わるためには、企業文化も変わらなければならないと思っています。企業文化を変えることができるのは、若い社員です。その若い社員たちが成長した時、会社は大きく変わるでしょう。だからこそ、失敗しても、何度も挑戦してほしい。その「チャレンジ精神」を持つ企業でなければ、発展する企業にはなれないからです。
そんな想いを込めて、長期経営ビジョン「Compass2030」の最後に、「今と未来の仲間に向けた3つの約束」を盛り込みました。今回の長期経営ビジョン策定にあたり、バックキャスティングに加えて、大きく変えたことがあります。それは、若手社員を20数人集めてディスカッションを重ねたことです。将来世代に最も近い若手社員からは、「脱炭素を実現している企業になりたい」、「お客さまとの関係の中で、新しい価値を生み出している企業でありたい」という力強い声が上がりました。これらの意見から生まれたのが、長期経営計画にも掲げた「お客さまや、地域社会、異業種企業やベンチャー企業を含むビジネスパートナー、自治体等とともに価値を創り出す『価値共創』のエコシステムを、2030年に向けて構築しよう」という新たな挑戦です。この「価値共創」によって、エネルギー・環境起点にとどまらない幅広い社会課題の解決を図り、SDGs達成にも貢献していきたいと考えています。

創立者渋沢栄一の「論語と算盤」を実行します

1885年、当社は日本の資本主義の父である渋沢栄一によって創立されました。「論語と算盤」で提唱されたマルチステークホルダーとの共存、社会価値と財務価値の両立は、私たちのDNAです。新たなエネルギーや機器の出現により厳しい時代もありましたが、渋沢氏が発展への道筋を付けてくれたことでここまで歩んでこられたのだと思います。しかし、ここからの道は自分たちで切り開き、次の世代へと引き継がなくてはなりません。
今、当社グループは、2030年へ向けた“新たな変革の時代” の入り口にいます。あわせて、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界も大きく変わりました。生活様式を変えざるを得ない中、都市への人口集中・過密やサプライチェーンの脆弱性等の課題が顕在化するとともに、安心・安全な暮らしに対する価値観や心身の健康に対する意識がより一層見直される等、社会システムや日常生活のあり方を変えていくことが必要になるのではないかと考えています。当社グループは“新たな変革の時代”を見据え、次世代のエネルギーをリードしながら、社会変革に資する価値を創造し続ける企業グループへと成長し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

東京ガス株式会社代表取締役社長 内田 高史

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