Tokyogasgroup csr report

Technical Development 技術開発

次世代社会に向けたチャレンジ

ガス事業の枠組みにとらわれず、これまで培った技術を応用して、CO2削減や省エネルギーの実現といった社会課題の解決に資するさまざまな分野でのビジネスを提案しています。

水素供給の基盤確立

水素ステーションの建設・運営

利⽤時にCO2を排出しない⽔素エネルギーを活⽤した⽔素社会の実現を視野に、輸送分野の低炭素化に寄与する燃料電池⾃動⾞(以下、FCV)の普及に向けて、⽔素ステーションを建設・運営し、⽔素供給の基盤整備に貢献しています。⾛⾏時にCO2を出さないFCVは、電気⾃動⾞と同程度の環境負荷の低減が見込めます。

水素社会実現に向けての現状

時期 取り組み内容
2019年1月末時点の状況 FCVの普及台数約3,000台、⽔素ステーション数100カ所
2030年までの目標(経済産業省) 約80万台のFCVの普及、約900カ所の⽔素ステーションの整備

民間の取り組み

時期 取り組み内容
2018年2月 11社(注1)の協業による「⽇本⽔素ステーションネットワーク合同会社(以下、JHyM)」設⽴
  • (注1) ⾃動⾞メーカー3社(トヨタ⾃動⾞(株)、⽇産⾃動⾞(株)、本⽥技研⼯業(株))、インフラ事業者6社(JXTGエネルギー(株)、出光興産(株)、岩⾕産業(株)、東京ガス(株)、東邦ガス(株)、⽇本エア・リキード(株))、⾦融投資家等2社(豊⽥通商(株)、(株)⽇本政策投資銀⾏)の11社(JHyM設⽴時)。

JHyMの概要

概要 ⽔素ステーション整備の加速を目的としたインフラ事業者、⾃動⾞会社、⾦融投資家等の連携による世界初の取り組み
主な活動内容 戦略的な⽔素ステーションの整備、⽔素ステーションの効率的な運営
活動目標 FCVユーザーの利便性向上、FCV台数の増加、⽔素ステーション事業の⾃⽴化、「FCVと⽔素ステーションの好循環」の創出
 

東京ガスはインフラ事業者として、⽔素ステーションをJHyMと共同で整備し、建設した⽔素ステーションの運営を実施します。今後も、持続可能な⽔素社会の実現に向けて、他社との連携を通じた取り組みを進めていきます。

 
日本水素ステーションネットワーク合同会社設立 日本水素ステーションネットワーク合同会社設立
 

水素ステーションの建設・運営のあゆみ

時期 概要 水素供給方式(注1)
2003年5月 実証・研究開発事業として「千住水素ステーション」を開所 オンサイト方式
2010年12月 実証・研究開発事業として「羽田水素ステーション」を開所
(日本初の天然ガススタンド併設型の水素ステーション)(~2015年まで)
2014年12月 関東初の商用ステーションとして「練馬水素ステーション」を開所 オフサイト方式
2016年1月 「千住水素ステーション」を商用の水素ステーションに転用、開所 オンサイト方式
2016年2月 「浦和水素ステーション」の営業を開所
2018年2月 他社と連携し、水素ステーション整備推進を目的とする
「日本水素ステーションネットワーク合同会社」の設立に参画
-
  • (注1) 水素ステーションにおける水素供給方式は、大きく分けて、その場で水素を製造(都市ガスから改変)するオンサイト方式と他所から水素を運んでくるオフサイト方式があります。
 
  • 練馬水素ステーション練馬水素ステーション
  • 千住水素ステーション千住水素ステーション
  • 浦和水素ステーション浦和水素ステーション
都市ガスから水素を供給するまで(オンサイト方式の水素ステーション)
当社は、CO2の排出量が少なく環境負荷の低い都市ガスの特性を活かして、都市ガスを改質する⽅法で⽔素を製造しています。

オンサイト方式による水素の製造プロセス

オンサイト方式による水素の製造プロセス
  • (注1) FCVの水素充填時、車載タンクの温度上昇を防ぐため、水素を冷却する装置。

水素関連技術の開発

2013〜2017年度にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業である「⽔素利⽤技術研究開発事業」に参加し、燃料電池⾃動⾞⽤燃料⽔素を供給するなど、⽔素ステーションの研究開発に取り組んできました。
現在は業界での活動に参画し、燃料電池⾃動⾞に充填する燃料⽔素の品質管理⼿法の検討、⽔素充填量の測定精度の評価、乗⽤⾞以外の燃料電池バスや⼆輪⾞への充填⽅法の検討、これらの⽅法に関する業界ガイドラインの策定、国際規格への反映などに取り組んでいます。また、商⽤ステーションの効率的な運⽤⽅法の確⽴やメンテナンスコストの削減を目指した検討も進めています。
 
Topic
5kW級の⼩出⼒で世界初の発電効率65%相当を実証

⾼い発電効率を特徴とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率をさらに向上させる技術を開発し、5kW級の出⼒規模のホットボックスにおいて発電効率65%LHV相当(注1)を実証しました。5kW級の燃料電池としては世界初です。その成果が認められ、世界ガス会議2018においてガスイノベーション賞(注2)(業務・産業部門)を受賞しました。
この⾼効率化技術は、投⼊した燃料をより多く発電に利⽤するためのSOFCスタックの⼆段化技術、燃料再⽣技術の2つの技術(下図)、少ない未利⽤燃料において熱⾃⽴する技術の、計3つの技術の組み合わせにより、その効果を実証しました。
本技術をベースに、プロトタイプ開発に向けてさらに研究を進め、環境負荷の少ない都市ガスの⾼度利⽤を通じた低炭素社会の実現に貢献していきます。

  • (注1) 発電システムとして構成した場合に、燃料電池を動作させるためのエネルギーを差し引いた、顧客が利⽤できる交流送電端ベースの発電効率。補機損を6%、DC-ACインバーター損失を5%と想定。
  • (注2) さまざまな分野の中で規範となる最優良事例に贈られる賞。ガス業界の次世代のイノベーションとして受賞。

世界ガス会議での受賞式の様子(左から2番目が発表者)

世界ガス会議での受賞式の様子(左から2番目が発表者)

投入した燃料をより多く発電に利用する技術の模式図

投入した燃料をより多く発電に利用する技術の模式図

Topic
80%を超える“超⾼効率発電”に向けて
〜燃料電池の効率を⾶躍的に⾼める⾰新技術の理論設計に成功〜

九州⼤学次世代燃料電池産学連携研究センター(NEXT-FC)との共同研究で、⾼効率発電を特⻑とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率を⾶躍的に向上させる⾰新技術の理論設計に成功しました。発電効率として80%LHVを超える“超⾼効率”が発現することをそのメカニズムとともに示したのは、世界で初めてです。本成果は、2015年7⽉に科学誌『Nature』姉妹紙のオンラインジャーナル『Scientific Reports』で公開されました。
このような超⾼効率で⾏われる化⽯燃料から電⼒へのエネルギー変換は、CO2の排出削減に⼤きく貢献し、環境性の⾼いスマートエネルギー社会実現に向けた基幹エネルギー技術として期待されています。また、“超⾼効率発電”では、発電時に発⽣する排熱が少ないため、熱の利⽤を必ずしも前提とせず、市場適⽤性の極めて⾼い分散発電技術になると考えられます。

⾰新技術と発電効率向上のイメージ図
(高効率が見込めるプロトン伝導SOFCと二段化技術を組み合わせ)

⾰新技術と発電効率向上のイメージ図(高効率が見込めるプロトン伝導SOFCと二段化技術を組み合わせ)

⾰新技術と発電効率向上のイメージ図(高効率が見込めるプロトン伝導SOFCと二段化技術を組み合わせ)
 

株式会社ディ・エフ・エフ, 東京ガス CSR室, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

イノベーションによる低炭素社会実現への貢献

太陽光・蓄電池・EV等の分散型エネルギーシステムの分野は急速に技術革新が進んでいます。さらなる低炭素社会の実現には、世界中のあらゆる⾰新的なアイディアやテクノロジーを取り込んだオープンイノベーション型の研究開発が必要です。
東京ガスは2017年度に、⽶国に専門⼦会社2社(アカリオ・インベストメント・ワン社、アカリオ・イノベーション社)を設⽴し、エネルギー技術専門のベンチャーキャピタルやベンチャー企業への出資を開始しました。今後は、分散型エネルギーシステムやAI・IoT等のデジタル技術、およびそれらを活用したビジネスモデルを国内外から取り入れ、新たな価値の創出や低炭素社会の実現に貢献していきます。
株式会社ディ・エフ・エフ, 東京ガス CSR室, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

バイオマスの有効活用

温室効果ガス排出削減のため、バイオマス(注1)を活⽤した技術開発に取り組んでいます。
これまでに培った都市ガスとバイオガスの混焼におけるバイオガス利⽤技術に加え、⾷品残渣などをさらに安価で効率よくメタン発酵させてバイオガスを取り出す技術や、発⽣したバイオガスをさらに⾼品質のガスに変換する技術の研究を進め、バイオマスの利⽤拡⼤や普及を目指しています。

  • (注1) ⽣物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、エネルギーや物質へ再⽣可能な動植物から⽣まれた化⽯資源を除く稲わら、家畜排せつ物などの農林⽔産物、⾷品残渣、下⽔汚泥、⽊くずなど、有機性資源の総称です。燃焼などによりCO2が放出されますが、⽣物の成⻑過程で光合成により⼤気中からCO2を吸収するため、CO2の排出が吸収により相殺されます。
    さまざまなエネルギーとして活⽤可能で、直接燃焼して発⽣させた蒸気から熱や電⼒を得たり、発酵させたガス(バイオガス)を、ガスコージェネレーションシステム(以下、コージェネ)で利⽤したりするなどの⽅法があります。

バイオガス利用技術の開発

東京ガスグループは、⾷品残渣や下⽔汚泥などのバイオマスをガス化し、発電やボイラ燃料として利⽤する技術を有し、お客さまのサイト内で発⽣したバイオガスを主にコージェネの発電⽤ガスとして利⽤(オンサイト利⽤)しています。また、食品残渣由来のバイオガスを精製、熱量調整、付臭して都市ガス導管に受け⼊れる取り組みを⽇本で初めて実施しており、2017年度は、⾷品残渣由来のバイオガスを48.5万m3(約827tのCO2削減相当)受け⼊れました。

バイオガスのガス導管受け入れに関するイメージ図

バイオガスのガス導管受け入れに関するイメージ図

その他、2013年度から横浜市と共同で、下水汚泥消化ガス(下⽔バイオガス)のさらなる有効利⽤拡⼤に向けた研究を実施しました(2018年度終了)。研究では横浜市北部汚泥資源化センターに設置したバイオガス精製試験装置において、分離膜を使⽤して下⽔バイオガス中のCO2を除去し、メタンを濃縮する技術を開発しました。
 
横浜市北部汚泥資源化センターに設置したバイオガス精製試験装置 横浜市北部汚泥資源化センターに設置した
バイオガス精製試験装置

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