Tokyogasgroup csr report

Feature 特集

「CO2ネット・ゼロ」への挑戦

1960年代、戦後の経済復興期を迎えた日本は、高度経済成長に伴いエネルギーの需要も大幅に増加し、供給能力の増大が喫緊の課題でした。また当時の燃料であった石油による大気汚染物質の排出も問題となっていました。そこで当社は、熱量が高く環境性にも優れた天然ガスを1969年に日本で初めて導入しました。それから今日までの半世紀、新しい商品やソリューションの提供とエネルギーの安定供給を通じて、日本で、世界で、この新しいエネルギーの普及・拡大をリードし、天然ガスの時代を切り拓いてきました。
また近年では、気候変動問題が深刻化し、パリ協定に代表される「脱炭素化」への世界的な動きが加速する中で、環境性・供給安定性・経済性に優れた天然ガスは、不安定な再生可能エネルギーを補完する役割も担うことが期待されており、国内外で需要が拡大すると考えられます。同時に脱炭素化を目指す世の中の動向を踏まえ、燃焼時にCO2を排出する天然ガスを扱うリーディングカンパニーとして、気候変動と真摯に向き合っていくことも、私たちの責務であると考えています。
このような考えのもと、経営ビジョン「Compass2030」における3つの挑戦の一つ目に「CO2ネット・ゼロ」をリードすることを掲げました。私たちは、天然ガスと再生可能エネルギーをはじめとする新しい技術を組み合わせて、暮らし、都市、地球に対するソリューションを提供していきます。

Compass2030での取り組み

東京ガスグループは事業活動全体で、お客さま先を含めて排出するCO2をネット・ゼロにすることに挑戦し、脱炭素社会への移行をリードします。天然ガス有効利用の技術・ノウハウを、電気・熱分野の脱炭素化やCO2の回収技術にも活用していきます。また、2030年に向けては、1,000万t規模の削減に貢献し、地球規模でのCO2排出削減をリードしていきます。

東京ガスグループならではのCO2ネット・ゼロに挑戦

東京ガスグループならではのCO2ネット・ゼロに挑戦

  • ※ CCUS: CO2の回収・利用・貯留
具体的なアクション
天然ガスと再生可能エネルギーを組み合わせたソリューション
  • ガス火力発電やコジェネレーションシステム・スマートエネルギーネットワーク等の天然ガスの効率的な活用による省エネや再エネ出力変動の調整等によりCO₂ネット・ゼロを推進します。
  • 国内・海外で再エネ電源を拡大するとともに、太陽光発電・蓄電池等の分散型リソースを組み合わせた新ビジネスを展開します。
脱炭素化技術のイノベーション
  • 2030年に向けては脱炭素化に資するコア要素技術のイノベーションを、さらにその先には水素やメタネーション等の導入を推進します。
  • 再エネ電源の最適運用・制御や、天然ガスの高度利用も含め、各手段を組み合わせて活用していきます。
暮らしやビジネスの課題解決
  • 家庭や企業の屋根に無料で太陽光を設置し、発電した電力をお客さまに供給する等、お客さまのニーズ・課題を解決しながら、暮らしやビジネスの場における再エネを拡大します。
海外への展開
  • LNGインフラ事業や再エネ事業等、各国に応じた海外事業展開により地球規模でCO2ネット・ゼロを推進します。
東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

天然ガス有効利用による着実なCO2排出量の削減

天然ガスは、化石燃料の中では最もCO2排出量が少なく、その普及・拡大を引き続き進めることで、着実にCO2排出を削減します。お客さま先で、環境性に優れた天然ガスを原料とする都市ガスへの燃料転換とともに、産業用バーナーや炉を効率化し利用用途に適した熱を供給することでさらなるCO2排出削減を実現します。あわせて、ガスコージェネレーションシステム(CGS)や燃料電池等の高効率利用、省エネの推進を着実に行っていきます。さらに、地域で電気と熱の最適化を図るスマートエネルギーネットワーク、IoT等のデジタル技術導入等、天然ガスの有効利用によるCO2排出量の削減効果を最大限発揮するための取り組みを積極的に推進しています。
また2019年度から「カーボンニュートラルLNG」を日本で初めてシェルグループ(以下、シェル)から受け入れを開始しました。「カーボンニュートラルLNG」は、当社がシェルから液化天然ガス(LNG)を購入する際、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスとシェルが保有するCO2クレジットを相殺する(カーボン・オフセット)ことで、燃焼させても地球規模ではCO2等が発生していないとみなされるLNGのことです。このような新たなソリューションの提供を通じて、お客さまとともに東京ガスならではの「CO2ネット・ゼロ」に挑戦していきます。

Voice
日本初となるカーボンニュートラル都市ガスの供給開始
今まで、さまざまな方法で省CO2に取り組んできましたが、都市ガス自体でCO2を削減するという取り組みはカーボンニュートラルLNGが初めてです。丸の内熱供給(株)は、カーボンニュートラル都市ガスを調達することで、環境に配慮した強靭な熱のネットワークを構築し、地域熱供給事業においてさらなる環境負荷削減および防災機能の向上に貢献していきます。また、まちづくりを通じて持続可能な社会を実現するために今回のような先進的な取り組みも含め、引き続きどのような方法で環境負荷を削減できるかを東京ガスさんとも連携して検討していきます。

丸の内熱供給(株)取締役 常務執行役員 小林 茂彦 さま

丸の内熱供給(株)
取締役 常務執行役員小林 茂彦 さま

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

再生可能エネルギーの拡大

電力事業において将来のCO2ネット・ゼロを実現するために、再生可能エネルギー電源の獲得を推進します。また、デジタル技術を活用して、火力・再生可能エネルギー等の集中型電源と太陽光発電・蓄電池・CGS等の分散型電源を組み合わせて、お客さま先の多様なリソースを集約するVPP(バーチャルパワープラント)等、天然ガスと再生可能エネルギーの親和性の高さを活かした新たなビジネスの実現に取り組んでいきます。

Voice
再生可能エネルギーを巡る多様なニーズに対応
太陽光、風力、バイオマスを中心とした再生可能エネルギー電源の開発や運営を行っています。CO2を排出しない再生可能エネルギー由来の電力を、お客さまに長期にわたって安心してお使いいただき、事業を長期安定的に持続するために、私たちがやるべきこと。それは、発電電力に影響する自然条件を見定めつつ、より効率的に発電をして安価な電力をお届けすることはもちろん、電源を設置する地域の皆さまのご理解をいただきながら、また地域特有の生態系や景観等にも配慮していくことだと考えています。本年1月には、関東地方最大規模となる安中市太陽光発電所(群馬県)を取得し、すでに再生可能エネルギー電力を安定してお客さまへお届けしています。CO2ネット・ゼロを実現し、天然ガスのみならず再生可能エネルギー事業でもお客さまに選んでいただけることを目指して、これからも太陽光に加えて、バイオマス、また将来ポテンシャルの高い風力発電にも積極的に取り組んでいきます。

東京ガス(株)再生可能エネルギー事業部 大貫 かほり

東京ガス(株)
再生可能エネルギー事業部大貫 かほり

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

ガス体エネルギーの脱炭素化

現在進行する脱炭素社会への移行にあたっては、既存のインフラ・設備を最大限に活用する視点やレジリエンス強靭化への寄与も踏まえて、引き続き、天然ガスの有効利用による価値をお客さまに提供していきます。将来のCO2ネット・ゼロを実現するには、脱炭素化技術のイノベーションが不可欠であるため、脱炭素化に資するコア要素技術、ガス体エネルギーの脱炭素化(水素やメタネーション等のCO2回収・有効利用・貯留)や燃料電池の超高効率化等の開発をオープンイノベーションも活用しつつ推進していきます。

Voice
CO2 ネット・ゼロ実現に向け研究に取り組む
私が所属する先端エネルギーシステム研究所は、(1)当社がCO2ネット・ゼロを達成するシナリオの策定(2)CO2ネット・ゼロに資する技術の研究開発にフォーカスした研究所です。まず、シナリオの策定でCO2ネット・ゼロをどのような道筋で達成するかについてバックキャストを前提にして成長戦略を考えます。そして、そのシナリオの中で当社が力を入れて開発すべき技術を見極め、実際に研究開発を推進していきます。例えば、将来的にカーボンニュートラルなガス体エネルギーを製造・供給する方法はメタネーション等が挙げられます。当社のCO2ネット・ゼロ達成に重要な方策になる可能性がありますが、再生可能エネルギー由来の水素の価格が下がらなければ実際に有用ではありません。そこで、再生可能エネルギーを活用した水素製造技術のコストの低減に向けて、現在、研究開発を行っています。脱炭素化に資する技術は世の中にたくさんあると思いますが、その中でも東京ガスグループの事業成長に必要な技術をしっかりと見極めて研究開発につなげていき、CO2ネット・ゼロを実現していきます。

東京ガス(株)基盤技術部 先端エネルギーシステム研究所 櫛 拓人

東京ガス(株)
基盤技術部
先端エネルギーシステム研究所櫛 拓人

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

地球規模でのCO2排出削減

これまでの総合エネルギー事業に関わる技術・ノウハウを活かし、急速な経済成長に伴う天然ガス需要の高まりに対応するとともに、LNG輸入の拡大が見込まれる東南アジアの国々においては、各国政府・企業と連携しながらLNG・天然ガス導入やエネルギーインフラの構築、環境に優しく快適な都市の創造に貢献してまいります。

Voice
タイに最新鋭の地域冷房センターを建設
私がエンジニアリングを担当するタイ王国バンコク中心部における民間再開発「One Bangkok」は、同国初の都市型地域冷房事業です。気候が厳しいバンコクにおいては、一年を通じて冷房が欠かせません。One Bangkokでは、環境に配慮したスマートシティを再開発のコンセプトに、同国初となるLEED Neighborhood Development Platinum認証の獲得を目指しています。雨水等の再生水の利用や、国内での事業で培った知見と最新技術を活かした設計で、翌日の天気予報や過去の需要データから冷房負荷を予測し、最新鋭の高効率冷凍機と蓄熱設備を効率的に運転することでエリア全体の環境負荷低減に貢献します。
  • ※  米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発、運用を行っている建物と敷地利用についての環境性能評価システムで最高評価レベル。

東京ガス エンジニアリング ソリューションズ(株) 海外エネルギーサービス部	前田 英俊

東京ガスエンジニアリング
ソリューションズ(株)
海外エネルギーサービス部
前田 英俊

東京ガスは、リーディングカンパニーとして環境性・供給安定性・経済性に優れた天然ガスの普及を進めてきました。これまで天然ガスの有効利用によって低炭素化を実現してきたノウハウをもとに、天然ガスと親和性の高い再生可能エネルギー事業の推進やステークホルダーの方々との協働により新たな価値を創出することで、CO2をネット・ゼロにすることに挑戦し、脱炭素社会への移行をリードしていきます。

東京ガス サステナビリティ推進部, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ