Tokyogasgroup csr report

CSR at the Tokyo Gas Group 東京ガスグループのCSR

東京ガスグループのCSR重点活動とマテリアリティ

東京ガスグループのCSR重点活動とマテリアリティ

東京ガスグループは、事業を通じてCSR活動を推進するにあたり、CSRのマテリアリティごとに目標を設定し、活動の改善を図っています。重点活動およびそれに付随するマテリアリティは、毎年度ステークホルダーの意見などを踏まえレビューを行うことで、見直しを実施しています。
 

 

マテリアリティ分析マップと重点活動との整理

2017年度までは「『チャレンジ2020ビジョン』実現に向けた2015~2017年度の主要施策」を中心に、社会の期待や要請を踏まえ特定したCSR重点活動と優先的に取り組むべき重点課題(マテリアリティ)に沿ってCSR活動を推進しました。

6つの重点活動とマテリアリティ
マテリアリティの分析マップ

マテリアリティの特定理由と影響範囲

 
重点活動 マテリアリティ 影響の範囲 




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主なステークホルダー 





























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1.  
エネルギーセキュリティの向上
  • 安定的な供給
  • 安全の追求
  • より良い商品やサービスの提供
特定理由:
▶ 目標と実績
2.  
環境への貢献
  • 温暖化対策
  • 資源循環の推進
  • 生物多様性保全の推進
  • 環境関連技術開発の推進
特定理由:
▶ 目標と実績
3.  
地域社会への貢献
  • 安心・安全な暮らし・まちづくり
  • 環境に良い暮らし社会づくり
  • 豊かな生活文化づくり
×
特定理由:
▶ 目標と実績
4.  
人権の尊重
  • 人権デューディリジェンス
×
特定理由:
▶ 目標と実績
5.  
コンプライアンスの推進
  • コンプライアンスの浸透・徹底
  • 贈収賄の防止
  • 個人情報保護
特定理由:
▶ 目標と実績 
6.  
人を基軸とした経営基盤の強化
  • ダイバーシティの推進
  • 人材育成
  • 労働安全衛生
× × ×
特定理由:
▶ 目標と実績

マテリアリティ特定・再検証のプロセス


STEP 1 社会課題の特定

GRIサステナビリティ・レポーティング・ガイドライン G4、GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード、ISO26000など組織の社会的責任に関する代表的な国際的ガイドラインや、SDGsなど社会的に対応すべき課題を包括的に抽出。

当社グループのLNGバリューチェーンごとに事業特性や事業戦略、影響範囲をもとに、社会課題(CSR関連課題)に関する影響度を整理し、重要課題側面を絞り込み。


STEP 2 優先順位づけ
STEP1で絞り込んだ重要課題側面について
  • アンケート調査等をステークホルダーの視点として評価。
  • 関連する部門にて優先順位を仮定。

ステークホルダー視点と自社視点による重要性の評価結果についてマッピング。
社内協議により、当社グループが優先的に対応すべき重要課題側面を特定。


STEP 3 妥当性確認・確定
特定された重要課題側面の妥当性について、各分野の有識者により評価。
当社グループのCSR重点活動を見直すとともに、活動ごとに重要課題側面をマテリアリティとして整理。
企業コミュニケーション推進会議(CSRの推進会議体)での承認をもって確定。
関連する部門と特定したマテリアリティについて目標(以下、CSR指標)を決定。


STEP 4 レビュー
CSR指標に基づきマテリアリティに対する活動評価を行い、CSRレポートに開示。

年度ごとに、社内外のアンケートや外部有識者からいただいたご意見、SDGsなどの国際的目標・ガイドラインを踏まえ、レビューを実施。

これらをマテリアリティやCSR指標の見直し、事業への反映、報告内容の改善に活用。

 

 
株式会社ディ・エフ・エフ, 東京ガス CSR室, 東京ガス 総務部, 東京ガス 総合企画部, 東京ガス 資源・海外本部, 東京ガス エネルギー生産本部, 東京ガス 電力事業計画部, 東京ガス 導管NW本部, 東京ガス IT本部, 東京ガス リビング本部, 東京ガス 基盤技術部, 東京ガス エネソル本部, 東京ガス 環境部, 東京ガス 資材部, 東京ガス 人事部(安全健康福利室), 東京ガス 人事部, 東京ガス 監査部, 東京ガス 監査役室, 東京ガス コンプライアンス部, 東京ガス 地域本部, 東京ガス 財務部, TGES, 東京ガスコミュニケーションズ

新マテリアリティの特定

2017年10月に東京ガスグループ2018-2020年度経営計画「GPS2020」が策定されたことを踏まえ、新たなマテリアリティを特定しました。2018年度からは、新たなマテリアリティに沿った取り組みの評価・改善を行い、PDCAサイクルを推進していきます。

2017年度までのマテリアリティからの主な変更点

1.マテリアリティを「戦略的に取り組む課題」と「事業の基盤として取り組む課題」に整理

2.「ガバナンス」と「コンプライアンス」を経営基盤として位置付けを変更

3.マテリアリティと当社グループが貢献を目指すSDGsの関連付けを実施

マテリアリティへの取り組みを通じたSDGsへの貢献

東京ガスグループでは、戦略的取り組みを通じてSDGsの目標7、9、11、13、基盤的取り組みを通じて5、8、10、16、17の達成に注力していきたいと考えています。新たなマテリアリティとの関係性を整理することで、CSRマネジメントを通じてSDGsに貢献していきます。

 

東京ガスグループが貢献を目指すSDGs

新マテリアリティとCSR指標
 

重点領域 マテリアリティ
CSR指標
2020年度までに目指すこと 2018年度までに目指すこと















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ガス・電気の安定供給
・お客さま先への重大供給支障事故0件の維持 ・お客さま先への重大供給支障事故0件
・現行の発電所の安定的な運転の維持 ・現行の発電所の安定的な運転
原料の安定調達

・安定かつ安価なLNG調達に向けた3つの多様化の実現
「調達先の多様化」
「契約内容の多様化」
「LNGネットワークの多様化」

・安定かつ安価なLNG調達に向けた3つの多様化の実現
「調達先の多様化」
「契約内容の多様化」
「LNGネットワークの多様化」

途上国のエネルギーインフラ構築

・東南アジアにおける天然ガスバリューチェーンへの貢献

・東南アジアにおける天然ガスバリューチェーンへの貢献








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安全と防災
・ガス本支管耐震化率目標 88.25%以上 ・ガス本支管耐震化目標 87.55%
持続可能なまちづくり・快適な暮らしづくり
・地域開発案件累積件数の増加 ・地域開発案件累積件数の増加

・安心で快適な生活を実現する暮らしサービスの提供

・安心で快適な生活を実現する暮らしサービスの提供





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温暖化対策

・天然ガス利用促進や省エネ性に優れたガス機器・システム導入によるお客さま先でのCO2排出抑制 2011年度比800万t

・天然ガス利用促進や省エネ性に優れたガス機器・システム導入によるお客さま先でのCO2排出抑制 2011年度比430万t

・ガス製造工場における製造原単位 (注1) 250GJ/百万m3

・ガス製造工場における製造原単位 220GJ/百万m3

・地域冷暖房における熱販売量原単位 (注2) 1.19GJ/GJ

・地域冷暖房における熱販売量原単位 1.19GJ/GJ

・東京ガスの事業所等におけるエネルギー使用原単位 (注3) 1.71GJ/m2

・東京ガスの事業所等におけるエネルギー使用原単位 1.69GJ/m2

・電力事業の小売り段階での排出係数抑制 ・環境保全ガイドラインの着実な実行
・再生可能エネルギーの普及促進

・再生可能エネルギーを利用した商品・サービスの提供、再生可能エネルギー供給、スマートエネルギーネットワークなどの取り組みの推進

資源循環の推進
・産業廃棄物の再資源化率 95%以上維持 ・再資源化率95%以上

・製造工場におけるゼロエミッション(最終処分率1%未満)維持

・最終処分率1%未満
生物多様性保全の推進

・LNGバリューチェーンにおける生物多様性保全活動の推進

・環境保全ガイドラインの着実な実行






活力あふれる組織の実現

・法定外労働時間80時間超/月の社員数をゼロにするとともに、60~80時間/月の社員数を2017年度比で半減(※東京ガス単体)

・法定外労働時間60~80時間/月の社員数を2017年度比で25%減(※東京ガス単体)

・柔軟な働き方の促進のため、2020年度までに社員全員を対象に、テレワークの利用が可能な環境の整備(※東京ガス単体)

・テレワーク(在宅勤務)制度の拡充と適用職場の拡大(※東京ガス単体)

・健康経営のベースである健康診断受診率100%の維持

・健康経営のベースである健康診断受診率100%の維持

ステークホルダーとの良好な関係

・デジタル技術を活用したお客さま利便性の向上とお客さま接点機会におけるCS向上

・お客さまの声やCS調査に基づく業務改善の推進

・株主・投資家とのコーポレートガバナンスコードに基づく対話の実施

・株主・投資家とのコーポレートガバナンスコードに基づく対話の実施

・社会課題の解決に向けた社会貢献プログラムの開発・展開

・社会課題の解決に向けた社会貢献プログラムの開発・展開

エネルギー企業としての公益的使命の遂行

・個人情報保護に関する国内外の動向への的確な対応

・個人情報保護に関する国内外の動向への的確な対応

・サプライチェーンマネジメントにおける、CSR調査結果を受けたPDCAの実施

・サプライチェーンマネジメントにおける、CSR調査の実施と結果分析

 
(注1) ガス製造量あたりのエネルギー使用量
(注2) 熱販売量あたりのエネルギー使用量
(注3) 延床面積あたりのエネルギー使用量

有識者からのご意見

 
河口 真理子氏(大和総研 主席研究員)
河口 真理子氏(大和総研 主席研究員)


特定した新CSR重点活動とマテリアリティについて

  • 「エネルギーの安定供給」は貴社事業において重要なキーワードですが、その中でも消費者の関心が高いであろう「災害」「事故」は、マテリアリティを考える中で特に重視すべき点です。あまり目立たないことですが、地震対策やガス事故防止策により安定的にエネルギー供給を果たしている点を会社の強みとして認識し、マテリアリティに組み込むといいでしょう。
  • また、地域冷暖房システムや太陽熱利用、スマートメータなどの組み合わせにより、都市や地域での安定でクリーンなエネルギー供給が可能であることも強みとして注目してもよいのではないでしょうか。
  • 貴社は消費者へのガス供給を通じ、お風呂や料理だけでなく、家事や子育てなどにも密接にかかわっています。その点において言うと、例えば男性従業員の育児休暇を奨励することで、潜在的な顧客ニーズを発見し、新たなビジネスの開発につなげられるという副次的効果もあるかもしれません。暮らしの“ジェンダー固定化”を崩すことで、それが廻って自社ビジネスに戻ってくる。自社のみならず社会に対しダイバーシティ推進のサポートができる点は、貴社だからこそできることではないかと思います。さらに、マテリアリティに“食育”の視点を加えるのも面白いと思います。
  • 2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、“サステイナブルな調達”がキーワードとなっています。貴社もオフィシャルパートナーとして、オリパラでの調達に関してサステナビリティやトレーサビリティの向上を促すべきでしょう。例えば、国内のサプライチェーンマネジメントの一環として、工事やサービスを担う従業員の適切な労働環境の確保を、人権の観点からも考慮すべきだと考えます。


今後の求められる対応

  • これからはマテリアリティを特定し開示するだけでなく、経営戦略や中期経営計画への落とし込みが期待されます。国際的に関心を集めている石炭や石油に比べ、天然ガスは短中期的には低炭素として優位性がありますが、2030年以降に脱炭素まで求められる社会が到来した時にどのようなビジネスを目指していくのか、そのビジョンを示すことが必要でしょう。
  • SDGsについても、マテリアリティとの紐付けだけに終始せず、事業活動が生み出すアウトカム(その事業を行うことで社会にどれだけいい影響を及ぼすか)も踏まえた取り組みを期待します。
 
後藤 敏彦氏(サステナビリティ日本フォーラム代表理事)
後藤 敏彦氏(サステナビリティ日本フォーラム代表理事)


SDGsへの取り組みについて

  • SDGsに関する取り組みの進め方として、①従来の取り組みとSDGsを紐付ける、②マテリアリティとSDGsとを比べ、どんなビジネスができるかを検討する、③SDGsの課題を社会の課題ととらえ、それを自社の事業活動・経営に落とし込んでいく、という3つの段階があります。「SDGsとの紐付けのみを行い、あたかもSDGsに貢献しているように見せること」をSDGs ウォッシュと言いますが好ましいものではなく、重要なのはSDGsに対してどれだけ貢献しているかを、社会に対する影響度として示すことですので、貴社の今後の取り組みに期待します。
  • SDGsには、「貧困を終わらせる」という本質的な目的があります。これに対して日本企業はほとんど取り組めていません。多くの人が日本国内の貧困を認識していませんが、実際は広く深刻な課題です。貴社でもこの「貧困を終わらせる」について直接的な貢献ではないにしても、169項目のターゲットの中で会社として戦略的に対応できるものがないかを検討し、ビジネスソリューションのアイデアを出されるとよいと考えます。
 
今後の求められる対応
  • 経営トップがマテリアリティやSDGsに関与していることも重要です。経団連の企業行動指針でも、SDGsに経営層が関与していることを強く求めています。
  • また、2050年のありたい姿を持っているかどうかも重要です。日本国内の動きは鈍いのが現状ですが、検討を開始することをお薦めします。公表するありたい姿、目標は、“必達目標”である必要はありません。あくまで自分たちがいつまでにどうなっていたいのか、そのポリシー、チャレンジ精神を持っていることが重要と考えます。
 
赤羽 真紀子氏(CSRアジア 日本代表)
赤羽 真紀子氏(CSRアジア 日本代表)<


CSR重点活動とマテリアリティの見直しについて

  • マテリアリティとして、「環境事故の防止」や「安全と防災」は特に重要であると考えます。安全は価値であり、安心感は財産です。ガス爆発や漏洩などは起きるとインパクトが大きいですし、長期にわたりガス爆発事故を起こさないことは、当たり前にできることではありません。従業員トレーニングや安全機器の開発、ガス機器を使う消費者への周知、点検など、企業としての努力やノウハウは強みであると言えるでしょう。
  • 東南アジアなど発展途上国のエネルギー供給では、賄賂、汚職といった事項がCSRのトピックとしてよく挙げられますので、その防止に関する情報開示を、より明確にできるといいでしょう。
  • また、東南アジアへの進出にあたっては、地域住民とのエンゲージメントが重要です。まずは現地に耳を傾けることから始め、海外プロジェクトのCSRに今後もっと力を入れていくべきだと考えます。東京ガスグループのCSRマインドを、もっと社内に広めていけるといいと思います。
  • 水リスクについて、国内では冷却用途など間接利用の水として海水を利用することが当たり前となっていますが、海外では淡水を間接利用している場合が多いです。この海水の利用によって淡水利用を抑制している事例など、当たり前と思い込んでいることでも海外向けにアピールできるものがあるのではないでしょうか。


SDGsへの取り組みについて

  • SDGsについては、日本の多くの企業が17のゴールや169のターゲットと自社事業との紐付けに留まり、小手先の話になってしまっていると感じています。“誰も取り残さない”というSDGsの大元の理念に対して、東京ガスグループが何をできるのかをもっと伝えられると良いでしょう。例えば、“エネルギーのユニバーサルアクセス”という観点とGPSを関連付けて伝えることも有効だと思います。
  • 電力もガスも自由化が進む中、ビジネス的に利益の少ない地域においても今まで通りエネルギーを供給するということも、“誰も取り残さない”という理念に向けた社会的責任の果たし方ではないかと考えます。

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